槐の大樹の古跡に寄せて七言絶句四首
2018-01-30
古木の槐の遺跡に寄せて――薛彦華 古道のほとり、この老樹の陰にありては、 雲がたまり緑が交わり、真昼の風は涼しきなり。 かつての栄華を今誰が覚えんや。 歴史の記録にこそその名残あり、忘れられようはずなき。 明の初め、天下は隆盛を極め、 移住の民はあらゆる地に分け与えられ、国土の繁栄は広大なり。 いく人の旅人がその枝葉の下に宿を求めて、 その陰はかつて名高かりし桑の木の陰にも劣らず、愛されたり。 時の流れとともに、古跡は次第に目に見えぬところへと消え、 海が桑畑に変わり行くさまを見れば、胸を痛むばかりなり。 もし里人の徳が真に石のごとく堅固なるならば、 その高潔な気概は遠くまで届き、後世にまで伝えられん。 高き楼閣は屹立して、往時の面影を厳かに刻みつける。 茶室には芳しい香気が清らかに満ち、祝福に満ちたり。 旅人は杯を手に、昔の物語を語りつつ、 今の景色を眺めながら、遥か昔の日々へと心を馳せる。
槐の古跡に寄せて七言絶句四首
(ヘジン)シュエ・イェンホア
古道のほとり、古老の木々が作り出す濃い陰影の下では、雲と青々とした木々の葉が交わり、真昼のそよ風が涼しげなひとときをもたらす。今や、あの往時の栄華を思い起こせる者は誰ひとりいない。しかし、幾世代にもわたって語り継がれてきた歴史の記録は、決して忘れられてはならない。
明王朝の創建初期、国際的な威信を誇るなかで、民の移住と新地の開墾が一大事業を生み出した。その波及によって、幾多の人々が安住と庇護を得たことか――それは、かつて都を覆いしめた桑の木々の、なおも残る優しい陰影にほかならない。
時は刻々と流れ、古の遺跡はやがて忘れ去られていく。広大な海が桑畑へと変わってしまうさまを、どうして見届けられようか。もし村人たちが真に石のごとく堅固な徳を備えているのなら、遠くからでもその高潔な名は広く遠くまで響き渡るだろう。
パビリオンは高くそびえ、石碑の前に静謐な安息の場を築いている。茶室の中では、薫り高い静寂がその趣をいっそう深めている。通りがかりの人々は、手にした杯を口に運びながら、昔の物語を語り継ぎ、眼前の景色を眺めながら、やわらかく過ぎ去った時代へと心を漂わせる。
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洪通の大イチョウ
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